2015年 07月 12日
カジュアリティーズ(Casualties of War) |
1989年制作のベトナム戦争を題材にした映画です。
ぼくが初めて観たのは小学生だったと思います。
週末のロードショーで、テレビで観ました。
あの頃は、ハードな内容のものも、テレビでやってたんですよね。
そして、とても衝撃を受けたんです。
もちろん、小学生ですから、性交やレイプというものが、なんのことなのかも
よく分からずに観てたんです。ただ、男達が力ずくで、家族と寝ている女の子を誘拐して、泣いている女の子に暴力を振るって、力で支配しているということは伝わってきたんです。
暴力は駄目ですよ。女の子には優しくしましょう。と言われて育ってきた男の子ですから、それは、もう 「なんなんだ」 ですよね。理解できない。
主人公の男性、マイケル・J・フォックスが反対するんですが、集団の中では、一人っていうのは弱いんですよね。
力でも対抗できないし、倫理感も相手は受け付けない。多数が善みたいな。
無力なんですよね。でも、必死で抗うんですよ。
で、観ている僕は、まだピュアな小学生ですから、主人公の視点で映画を観ている。
力で支配する男にも、まわりに流される男にも、嫌悪感しかな抱けない。
しかし、中学生になると自分の中にも、嫌悪感しか抱かなかった男性性・人間性に気づいてしまうし、教室の中における集団のパワーバランスが見えたり、嫌な発見の連続なんですよね。
でも、勇気がなくて、主人公のように訴えたり、声を出すことは無く、ただ、その関係の中に呑み込まれないようにするので、いっぱいいっぱい。情けない話なんです。
で、今はどうなのかというと、声に出すだけでも勇気がいるんですよね。
なかなか、主人公のように成れない自分が、今もいます。おわり
by chippu6111
| 2015-07-12 13:45
| film